まぶたの奥によみがえる

天と地とが混ざる日の

明けの空に輝く銀の塔



*

北の鵬が天を仰げば

西に煙が立ちのぼり

東の花は咲き乱れ

南で吾子が立ちあがる


**


白い雨に破られて

古い伝えが目覚めれば

黒い風が渦巻いて

霧の向こうで嘲笑い

赤い河は切り裂かれ

土の枷は朽ちるだろう




***





いつか硝子の盾を手に

掴んだ灯りで世を照らす

まことの光を受けるため

星に撃たれて砕かれた

剣(つるぎ)を求めて世を渡る

*



お前が父より受け継いだ

不思議の模様が守るのは

雲の宮より降り注ぐ

春を纏った時の声

**

 

久遠の風が鳴く地には

石の葉を摘み 刃を揺らし

羽ばたく朝を夢に見る

渇きの谷が在るという



***




規律と規則を守るのは

世に捨てられた砂の街

枯れた泉を護るのは

夜を紡いで朝を織る

時を忘れた一族で……

 

*



知らぬ風を求めて旅立つならば

その願いは隠すのだ

果てまで続く荒野を彷徨うならば

その想いは秘めるのだ


**



そうして闇を掻き分けて

月の沈黙を覚えるように

あるいは夜明けを探し出し

陽の慈愛を知るように

あなたは今日を繰り返す

螺旋が解けるその日まで……


***

 




* Key Visual  *  K,Kanehira

 

* Image Lyric Poetry  * 羊原 咲


 

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